バガボンド(26)(モーニングKC) - 井上 雄彦

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プロフィール


井上 雄彦(いのうえ たけひこ、本名:成合 雄彦(なりあい たけひこ)、1967年1月12日 - )は、日本の漫画家。鹿児島県大口市(現・伊佐市)出身、熊本大学文学部中退。B型。愛称は「イノタケ」。

1988年手塚賞入選の「楓パープル」でデビュー。代表作に『SLAM DUNK』、『バガボンド』、『リアル』など。スポーツや闘いを通じて青年の成長を描く作品が多い。1990年連載開始の『SLAM DUNK』は『ドラゴンボール』『幽☆遊☆白書』とともに『週刊少年ジャンプ』の三本柱と呼ばれ、日本におけるバスケットボールブームの火付け役となった『ニッポンのマンガ 手塚治虫文化賞10周年記念』朝日新聞社、2006年、60頁-75頁。同作品は2004年に国内発行部数1億部を突破。2009年現在の累計発行部数は1億4000万部を超えている。1998年からは宮本武蔵を題材にした『バガボンド』、1999年からは車椅子バスケットボールを題材にした『リアル』を連載、前者は5000万部、後者も1000万部を超えるヒット作となっている。『バガボンド』による文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞ほか受賞多数。

『SLAM DUNK』の21~23巻の初版発行部数は当時の日本記録で、『バガボンド』の15巻が現在でも青年漫画の初版発行部数の最高記録であり、少年漫画、青年漫画の両方で最高記録を更新したことになる。

来歴

8才のとき両親が別居。鹿児島に母親とともに祖父のもとで暮らす。

小・中学校と剣道部に所属、高校から当時まだマイナーだったバスケットボール部に入り主将も務める。その一方子供の頃から絵を描くことが好きで、高校の終わり頃より漫画家になることを意識するようになる。幼少期から特に好きだった漫画が水島新司『ドカベン』で、インタビューではほかに影響を受けた作家として池上遼一(『男組』)、小林まことを挙げているティムリーマン『マンガマスター』美術出版社、2005年、113頁-128頁

芸大への進学を考え高校3年のときに美術予備校の夏期講習を受けるが、「金がかかる」という理由で芸大進学を諦め、地元に近い熊本大学に進学。大学ではバスケットの同好会で活動した。21歳のとき『シティーハンター』を連載していた北条司のアシスタントを10ヶ月ほど務め、ここで漫画制作の基本的な技術を身につけた。1988年、投稿作品『楓パープル』が第35回手塚賞に入選、漫画家としてデビューする。

原作付きで連載した『カメレオンジェイル』や、『SLAM DUNK』の原型となるいくつかの読み切りを経て1990年より「SLAM DUNK」を『週刊少年ジャンプ』に連載。1993年よりアニメ化もされ大ヒットとなる。同作品は2004年に国内発行部数1億部を突破、これを記念して6社の全国紙による1面広告の掲載などが行なわれた。連載終了後10年を経た2006年には、文化庁によるアンケート企画「日本のメディア芸術100選」においてマンガ部門1位に選出されている。

1996年に『SLAM DUNK』が終了、いくつかの小品を経て、1998年より『モーニング』にて、吉川英治の小説『宮本武蔵』を原作とする『バガボンド』の連載を開始。平行して1999年からは、TVで観て興味をもっていたという車椅子バスケットボールを題材にした「リアル」の不定期連載を『週刊ヤングジャンプ』にて開始。2009年現在も両作品を連載している。この2作について井上は、漫画の先人が作り上げてきた「マンガ的な手法やマンガ的記号」を『バガボンド』では極力使わないようにし、逆に『リアル』ではそれらを最大限に発揮して描いている、と語っている。

バスケットボールとの関わり

井上は中学までは剣道部で活動していたが、高校では球技を始めたかったことや剣道部に実兄がいて照れくさかったことなどからバスケットボール部に入部した。インタビューによれば当初はバスケットにそれほど興味を持っていたわけではなく、友達に誘われて「ふと入った」感じだった、と語っている。自身はそれほど背が高くなかったためガード的なポジションを務めることが多かったという今井栄一「INTERVIEW『スラムダンク』から『バガボンド』へ」『SWITCH』2002年 Vol.20 No.3、スイッチ・パブリッシング、40頁-51頁

漫画家を目指すようになってからは「とにかくバスケットを」描こうと決めており、当時バスケットを題材にした漫画はなかったため「(自分が描くまでは)誰もやらないでくれよ」と思っていたという。『SLAM DUNK』連載時にもバスケットボールチーム「TAKECHANS」を結成しポイントガードを担った。また『SLAM DUNK』終了後はBS1放送のNBA中継にゲストとして何度かテレビ出演している。

2004年に『SLAM DUNK』国内発行部数が1億部を突破したことをきっかけに、井上は「バスケットボールそのものに対しての感謝の気持ちを形にしたい」との思いからスポーツ奨学金の設立を構想、2006年に「スラムダンク奨学金」を設立した。バスケットボールのプロ選手を目指す日本の高校生を対象としたもので、アメリカのプレップスクール(大学への入学を準備する学校で、プロスポーツ選手を目指す留学生も多く在学する)への留学を支援している。

ちなみに、『SLAM DUNK』において一部の登場人物の顔などは、自身の高校の部活仲間や大学のサークル仲間がモデルとなっている。

絵に対する取り組み

もともと漫画に限らず絵を描くことが好きだった井上は「最終的にはただの絵描きになりたい」とも語っており、漫画作品以外にも絵に対する様々な試みを行なっている。

2004年に行なわれた「1億冊ありがとうイベントファイナル」では、神奈川県の廃校を使い、23枚の黒板にチョークで『SLAM DUNK』各登場人物のアフターストーリーを描いた。同年に制作された資生堂の化粧品「uno」のCMでは、自身の身長の何倍もある大画面に巨大な筆で男の絵を描いていく様子を撮影。2006年には、連載途中でペンから筆に切り替えて描れるようになった『バガボンド』のカラー画集とモノクロ画集を同時刊行している。2007年には『バガボンド』の製作現場にカメラを設置し、井上が『バガボンド』の人物を描いていく様を撮影したドキュメンタリーDVD『DRAW』を制作。また同年11月には紀伊国屋ニューヨーク店のオープン記念壁画を引き受け、ニューヨークに出向いて観衆の見守る中で壁一面に武蔵と小次郎を描いた。

年譜

  • 1988年 - 「楓パープル」で第35回手塚賞入選(成合雄彦名義)、デビュー。
  • 1989年 - 『週刊少年ジャンプ』にて「カメレオンジェイル」を連載。
  • 1990年 - 『週刊少年ジャンプ』で「SLAM DUNK」連載開始(1996年まで)。
  • 1995年 - 『月刊少年ジャンプ』にて「BUZZER BEATER」連載開始(1998年まで)。
  • 1998年 - 『モーニング』にて「バガボンド」連載開始。
  • 1999年 - 『週刊ヤングジャンプ』にて「リアル」連載開始。
  • 2004年 - 『SLAM DUNK』国内1億部を記念し、6紙の朝刊で1面広告を掲載、神奈川県の廃校でイベント「1億冊ありがとうファイナル」を開催した。
  • 2007年 - Xbox 360用ソフト『ロストオデッセイ』にてメインキャラクターデザインを担当。
  • 2008年 - 上野の森美術館で「井上雄彦 最後のマンガ展」を開催(5月24日-7月6日)
  • 2009年 - 熊本市現代美術館で「井上雄彦 最後のマンガ展 重版 熊本版」を開催(4月11日-6月14日)

受賞歴

  • 1995年 - 第40回小学館漫画賞(『SLAM DUNK』)
  • 2000年 - 第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞(『バガボンド』)
  • 2000年 - 第24回講談社漫画賞(『バガボンド』)
  • 2001年 - 第5回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞(『リアル』)
  • 2002年 - 第6回手塚治虫文化賞マンガ大賞(『バガボンド』)
  • 2008年 - 第2回 ASIAGRAPH Award 贈賞式受賞

作品リスト

連載作品

カメレオンジェイル(『週刊少年ジャンプ』集英社、1989年33号 - 44号)渡辺和彦原作
初連載作品。自在に姿を変化させる「危険請負人」カメレオン・ジェイルを主人公とした探偵もの。12回の連載で打ち切りとなった。

; SLAM DUNK(『週刊少年ジャンプ』集英社、1990年42号 - 1996年27号)

不良青年だった主人公桜木花道が、高校バスケットボールの世界に入り活躍する様を描く代表作。桜木たちがインターハイに挑戦する半年間の1シーズンが6年をかけて描かれた。
HANG TIME(『週刊少年ジャンプ』集英社、1993年45号 - 48号)
ボブ・グリーンの『マイケル・ジョーダン物語』を原作にした作品。『SLAM DUNK』連載中に短期集中連載された。
BUZZER BEATER(『月刊少年ジャンプ』集英社、1997年2月号 - 1998年8月号)
バスケットの「宇宙リーグ」の模様を描いたSF・バスケット漫画。1996年よりオンラインコミックとして連載されたのち『月刊少年ジャンプ』に連載。WOWOW、日本テレビでアニメ化された。
バガボンド(『モーニング』講談社、1998年40号 - )
吉川英治の小説『宮本武蔵』を原作とした作品。佐々木小次郎を聾唖者として描くなど、原作にはない独自の視点で描かれる場面も多い。1年の休載を経て2009年現在も連載中。
リアル(『週刊ヤングジャンプ』集英社、1999年48号 - )
自分の起こしたバイク事故で同乗者に障害を負わせてしまった野宮、骨肉腫によって片足を失った戸川、交通事故で半身不随となった高橋らを中心に車椅子バスケットボールの世界を描く群像劇。『週刊ヤングジャンプ』に不定期連載され単行本が年1回のペースで刊行されている。

短編作品

楓パープル(『週刊少年ジャンプ』集英社、1988年32号)
第35回手塚賞に入選したデビュー作。バスケットボールを題材にしており、主人公の流川楓のほか、後に『SLAM DUNK』に登場することになるキャラクターの原型が表れている。

; 華SHONEN(『週刊少年ジャンプ』集英社、1988年42号)

演劇部を舞台にした、女の子のような美少年と活発な女の子とのラブコメディ。
JORDANみてーに(コミックス『カメレオンジェイル』第2巻描き下ろし、1989年)
高校バスケットの日本選抜を題材にした読み切り作品。
赤が好き(『週刊少年ジャンプ増刊』集英社、1990年サマースペシャル)
『SLAM DUNK』のパイロット版的短編作品。主人公・桜木の人物像のほか、『SLAM DUNK』の主要人物がほぼそのまま登場する。この作品の直後に『SLAM DUNK』の連載が開始された。
BABY FACE(『週刊少年ジャンプ』集英社、1992年3・4合併号)
23歳の孤独な殺し屋を描いた読み切り作品。『SLAM DUNK』連載中に掲載された。
ピアス(『週刊少年ジャンプ』集英社、1998年9月号)
海沿いの街を舞台に、小学6年生の少年「りょうた」と少女「あやこ」をめぐる読み切り作品。後に『週刊ヤングジャンプ』にも掲載された。

イラスト・デザイン他

  • 1995年、アシックスとのコラボレーションによりバスケットボールシューズ“HIGH TIME”を発表、1996年グッドデザイン賞受賞。HIGH TIME紹介ページ
  • 「第1回JBL男子トーナメント大会」ポスター描き下ろし(1996年)
  • 「NBA解体新書」 カバーイラスト描き下ろし(1996年)
  • 「NBA雑学バイブル」 カバーイラスト描き下ろし(1997年)
  • 「FILA素人GAMES」ポスター描き下ろし(1997年)
  • 資生堂「Aleph」CM演出(1998年)
  • 「1on1」(PlayStation用ソフト)キャラクターデザイン&ストーリコンセプト(1998年)
  • 資生堂「uno」CM演出(2005年)
  • PRIDE 男祭り2005-ITADAKI- イラスト・題字http://www.prideofficial.com/events/otokomatsuri2005/
  • 2005年、ユニクロのTシャツデザインコンテスト「UTGP」に審査員の1人として参加、同時に自身もコラボレーションTシャツをデザインした。なお大賞には漫画家・内藤曜ノ介による作品「親父超え」が選ばれているhttp://ut.uniqlo.com/utgp/about/award2005
  • ロストオデッセイ(Xbox 360用ソフト)メインキャラクターデザイン(2007年)
  • 薩摩のキセキ 日本の礎を築いた英傑たちの真実(2007年、総合法令出版、西郷吉太郎・西郷隆文・大久保利泰・島津修久著)表紙イラスト
  • 「隠し砦の三悪人」ポスター描き下ろし(2007年)
  • 2007年11月、紀伊国屋書店ニューヨーク店オープン記念の壁画を制作。
  • 同11月、集英社と講談社の共同による『バガボンド』『リアル』のリミックス広告を実地。このうち読売新聞朝刊に掲載された広告が第12回読売出版広告大賞を受賞。
  • 2008年5月26日~7月6日まで、東京都上野の森美術館で自ら「最後」と銘打った「井上雄彦:最後のマンガ展」が開催された。
  • 2009年9月15日 NHK総合テレビ・プロフェッショナル 仕事の流儀「闘いの螺旋、いまだ終わらず〜漫画家・井上雄彦」。

アシスタント

  • 原泰久

脚注

外部リンク


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バガボンド(26)(モーニングKC)

  • オススメ度:
  • 作者: 井上 雄彦
  • 出版社: 講談社
  • 定価: ¥ 550
  • 発売日: 2007-07-23
  • 内容: コミック / 194ページ

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レビュー

1/6ページ
心情を描く
まず、一般の人が想像する『宮本武蔵』が存在しないのは事実。史実と違うだの、ありえない戦だの、ただの斬り合いだの、…そこに非難を集中している方とは意見が合いません。確かに史実・現実を気にして読まれる人にはあまりお薦めできません。話の筋もそう進んだ様には感じられず、薄いかも知れません。でも私にはこの巻の『間』がバガボンド全体には必要と感じます。だから評価4。(1下げたのは万人向きではないから。) この巻は武蔵の心情を描くための間ととらえます。70人対1人の戦いでありながら、臨場感を出す音や風景の少なさからある種の緊張を伴う静寂、反して激しく燃える命の奪い合い、「殺し合い」でありながら、時代に遅れ始めた「刀」で答えるある種の実直さを、独特の太い力強い線で描いている。この巻は展開が進むことに重点を置くのではなく、苛烈でありながら静寂な戦の中で武蔵の心と技が、「人に至るまで自然のひとつ、自然に抱かれている」という上泉信綱(秀綱)の至った輪廻に近い境地に少し近づく。しかし今繰り広げている「命の奪い合い」の意味に、過去の自分に疑問を感じはじめる一冊。人間誰もすぐには変われない。変われたとしても何がきっかけとはっきりとわからないほど不安定かつ脆弱なモノにより変わっていくと思う。それを人がつかむのにどれほどの葛藤を要し、その後の人間を創るのか。…多くの読者が人として「危うい武蔵」だから好きで、自分とは違う強い人間だが、弱さも持ち合わせていて素直な透き通る武蔵の姿が、意外とゆっくり展開が進むからこそ含まれてると思う。バサバサ斬るだけ、展開がチャッチャと進むだけの話なら他の漫画で十分味わえると思う。私は武蔵の人間らしい「迷いながらも自分を昇華させたい気持ち」を描くバガボンド、26巻の『間』に「ありがとう」と。
kazu 2007-10-22

癒される
モーニングを読むときは、まずバガボンドを読む。
人を切り殺すシーンが満載であり、しかも、切られた奴が、
意識あるうちにカラスに目をつつかれるシーンなども
あり、かなり残虐なリアリティがあるのだが、
読むと、何故か癒される。

普通の癒されマンガや、エロマンガでは
決して癒されないものが、
バガボンドを読むと
一瞬だけ、癒されてしまう。
不思議なマンガだと思う。

daruo555 2007-10-06

1対1に期待
吉岡一門総勢70人VS武蔵、これ描いてる作者の作業量たるや
想像を絶するのではないでしょうか?考えるだけで頭が下がります。
ただ、その作業量に比例して面白くなるかといえばそうでもない。
 
柳生四高弟のときも思ったけど、VS複数ってあまり盛り上がらんような・・・
実戦なんだからそういうシチュエーションもあって当然なんだろうけど、やっぱバトルは
1対1が一番燃える。しかも今回相手の70人中65人くらいは雑魚同然、コレでは熱くなれるはずが無い!というわけで評価は低めになっとります。
Lee 2007-10-03

滑稽な小躍り
剣術で言う所の形にはまる事を感覚的表現で否定した前巻の伝Vs武蔵、氏が演出したこの殺陣にはもちろん形にはまりたくないという氏、自信の意味が込められていると思うが形にはまらない武蔵の殺陣は漫画表現から飛出し斬る前後の動作、つまり漫画内での殺陣の伏線を省いてしまい読者に起こった事を描くというとても基本的で大切な事を省略してしまっている。そんな1対1も描けない氏が今作で出来る事は?武蔵=井上氏の基本を忘れた小躍りが始まってしまった。
ハートランド 2007-09-30

ただの老害漫画
全世界で1億部を売り上げた『スラムダンク』の作者井上雄彦氏が
歴史小説界の巨峰・吉川英治氏の架空小説 『宮本武蔵』 を元に
大胆なアレンジを加えて作り上げた剣豪漫画。
基本的な設定と大筋は原作通りだが、実際の内容は別物といっていいものになっている。
(その割に “原作・吉川英治 『宮本武蔵』 より” という文句を売り物にしているが)

この26巻では武蔵の養子が武蔵顕彰の為に脚色を加えたという『小倉碑文』、
偽書説が囁かれている『南方録』『兵法大祖武州玄信公伝来』、『二天記』等に記された
一乗寺下り松の決闘(但し何れも内容はバラバラで、しかも「吉岡家は滅んだ」との記述があるが
実際には存続している)を描いており、武蔵は吉岡道場の残党70余名とただ一人で戦う事となる。

感想としては、相変わらず絵が素晴らしい。
全体の作画のバランス、プリミティブでありながらセンシティブな描線、魅せ方というものをを十二分に理解し尽くした構図、
確固たるデッサン能力と肉体の躍動感、台詞を延々書き連ねるよりなお饒舌な表情。
本当に絵を見ているだけでも楽しいが、肝心の話の方はがスカスカで刑務所の豆スープよりも内容が薄い。

というのも、十把一絡げの雑魚相手の死闘を延々と描き続けてはいるが、あまりにも彼我の実力差があり過ぎる為、
緊迫感も無ければ興奮も無いためである。
その上相手は多勢に無勢でなりふり構わぬ心意気だが、反面鉄砲や弓箭を使わないという、戦い方に自ら
縛りを加えている滑稽ぶりで、三文時代劇の殺陣を見るように、わざわざ自分から斬られに行っているようにしか見えない。
武蔵も交通整理の警官人形の如く機械的に剣を振ってるだけで、SLAM DUNKの、全編見所満載の名試合に見られるような
アイディアや工夫も無ければ爽快感もスピード感も無く、敵側に魅力的なスターも華も無く、
ヴァリエーション豊かで人目を惹く妙技も予想を裏切る展開も無く、全体として話の起伏も無ければ平仄もない。
単に短く纏めれば済むような単調な話を、無理に長尺にして更に退屈にしただけといった感じの内容である。

作者は更に斬られる側の心理描写を所々に散りばめてあり、これによって戦いの虚しさと武人の生き様や悲劇を描き、
感動的な演出をしたつもりなのだろうが、これは殺し合う理由など何ひとつないであろう、どうでもいいポッと出の
関が原西軍の残党3人との単調な戦いを延々描き続け、更に彼らの過去回想や心理描写を長々と続けた、
小次郎編ラスト2巻を彷彿とさせ、正直うんざりさせてくれる。

殺陣の面白さは発想と演出と展開の工夫にあり、あるいは戦いそのものよりも対峙し合う者同士の心理的な駆け引きにあるのだが、
結論として、この巻はそのいずれもが欠落していると言わざるを得ない。
フォーマルハウト 2007-09-19

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作品リスト


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バガボンド(31)(モーニングKC) 2009-09-03 99999999 4063728277
バガボンド(30)(モーニングKC) 2009-05-28 99999999 4063727955
スラムダンク『あれから10日後-』完全版 2009-04-10 631 4990412621
バガボンド(29)(モーニングKC) 2008-11-28 99999999 4063727505
リアル 8 (ヤングジャンプコミックス) 2008-10-29 99999999 4088775392
INOUE TAKEHIKO OTHER HAND 2008-06-01 261899 4871186296
バガボンド(28)(モーニングKC) 2008-05-23 99999999 4063726851
バガボンド(27)(モーニングKC) 2007-11-29 99999999 4063726401
リアル 7 (ヤングジャンプコミックス) 2007-11-29 99999999 4088773527
バガボンド(26)(モーニングKC) 2007-07-23 99999999 4063726126
バガボンド(25)(モーニングKC) 2007-03-23 99999999 4063725820
DRAW Inoue Takehiko 2006-11-25 267563 4871186539
リアル (6) 2006-11-17 99999999 4088771737
バガボンド画集 WATER 2006-10-23 4885 4063646726
バガボンド画集 墨 2006-10-23 3872 4063646734
バガボンド(24)(モーニングKC) 2006-10-23 99999999 4063725537
バガボンド(23)(モーニングKC) 2006-06-23 99999999 406372526X
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リアル (5) (Young jump comics) 2005-11-18 99999999 4088768825
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BUZZER BEATER 1 (ジャンプコミックス) 2005-02-04 99999999 408873730X
BUZZER BEATER 2 (ジャンプコミックス) 2005-02-04 99999999 4088737318
リアル (4) 2004-11-19 99999999 4088766954
バガボンド(20)(モーニングKC) 2004-07-23 99999999 4063289702
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リアル (3) (Young jump comics) 2003-10-17 99999999 4088765117
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バガボンド 2002カレンダー 2001-10-01 99999999 4063401693
Slam dunk―完全版 (#13) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-09-01 99999999 4088592026
Slam dunk―完全版 (#14) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-09-01 99999999 4088592034
バガボンド(11)(モーニングKC) 2001-08-20 99999999 4063287637
Slam dunk―完全版 (#11) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-08-01 99999999 408859200X
Slam dunk―完全版 (#12) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-08-01 99999999 4088592018
Slam dunk―完全版 (#10) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-07-01 99999999 4088591992
Slam dunk―完全版 (#9) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-07-01 99999999 4088591984
Slam dunk―完全版 (#7) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-06-01 99999999 4088591968
Slam dunk―完全版 (#8) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-06-01 99999999 4088591976
バガボンド(10)(モーニングKC) 2001-05-23 99999999 4063287556
Slam dunk―完全版 (#5) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-05-01 99999999 4088591941
Slam dunk―完全版 (#6) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-05-01 99999999 408859195X
Slam dunk―完全版 (#3) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-04-01 99999999 4088591925
Slam dunk―完全版 (#4) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-04-01 99999999 4088591933
Slam dunk―完全版 (#1) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-03-01 99999999 4088591909
Slam dunk―完全版 (#2) (ジャンプ・コミックスデラックス) 2001-03-01 99999999 4088591917
バガボンド(9)(モーニングKC) 2001-02-22 99999999 406328736X
バガボンド(8)(モーニングKC) 2000-10-23 99999999 4063287203
バガボンド(7)(モーニングKC) 2000-07-21 99999999 4063287025
バガボンド(6)(モーニングKC) 2000-04-21 99999999 4063286851
バガボンド(5)(モーニングKC) 2000-01-21 99999999 406328672X
バガボンド(4)(モーニングKC) 1999-10-22 99999999 4063286584
バガボンド(3)(モーニングKC) 1999-07-22 99999999 4063286444
バガボンド(1)(モーニングKC) 1999-03-23 99999999 4063286193
バガボンド(2)(モーニングKC) 1999-03-23 99999999 4063286207
Buzzer beater (4) (ジャンプコミックスデラックス) 1998-07-01 99999999 4088590341
Buzzer beater (3) (ジャンプコミックスデラックス) 1998-04-01 99999999 4088590163
Buzzer beater (2) (ジャンプコミックスデラックス) 1997-12-01 99999999 4088587723
井上雄彦イラストレーションズ ポストカードバージョン 1997-09-01 99999999 4087824098
Buzzer beater (1) (ジャンプコミックスデラックス) 1997-07-01 99999999 4088587715
INOUE TAKEHIKO ILLUSTRATIONS 1997-06-04 3316 408782408X
スラムダンク (31) (ジャンプ・コミックス) 1996-10-01 99999999 4088718399
スラムダンク (30) (ジャンプ・コミックス) 1996-08-01 99999999 408871850X
スラムダンク (29) (ジャンプ・コミックス) 1996-06-01 99999999 4088718496
スラムダンク (28) (ジャンプ・コミックス) 1996-04-01 99999999 4088718488
スラムダンク (27) (ジャンプ・コミックス) 1996-02-01 99999999 408871847X
スラムダンク (26) (ジャンプ・コミックス) 1995-12-01 99999999 4088718461
スラムダンク (25) (ジャンプ・コミックス) 1995-09-01 99999999 4088718453
スラムダンク (24) (ジャンプ・コミックス) 1995-06-01 99999999 4088718445
スラムダンク (23) (ジャンプ・コミックス) 1995-03-01 99999999 4088718437
スラムダンク (22) (ジャンプ・コミックス) 1994-12-01 99999999 4088718429
スラムダンク (21) (ジャンプ・コミックス) 1994-11-01 99999999 4088718410
スラムダンク (20) (ジャンプ・コミックス) 1994-09-01 99999999 4088716302
スラムダンク (19) (ジャンプ・コミックス) 1994-07-01 99999999 4088716299
スラムダンク (17) (ジャンプ・コミックス) 1994-04-01 99999999 4088716272
スラムダンク (18) (ジャンプ・コミックス) 1994-04-01 99999999 4088716280
スラムダンク (16) (ジャンプ・コミックス) 1993-12-01 99999999 4088716264
スラムダンク (15) (ジャンプ・コミックス) 1993-10-01 99999999 4088716256
スラムダンク (14) (ジャンプ・コミックス) 1993-08-01 99999999 4088716248
スラムダンク (13) (ジャンプ・コミックス) 1993-06-01 99999999 408871623X
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